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ネットワーク型の都市とこれからの建築②

2018年10月01日

 
 前回述べたように、日本は、大戦によって疲弊した国土を復興するために都市に産業を集積させ、環境の良い郊外に住居を開発し、それを放射状の鉄道網で結んだ。これは、地縁などを断ち切り、新しく環境の良い新天地で、家族がそれぞれ自分の意志で生活したいという国民の夢に応えたものであった。視点を変えれば、都心と郊外を鉄道網で繋ぐということは交通の利用機会を増やすということであり、核家族という最小単位を生み出したことは、住宅の着工数を最大化することになるわけで、私鉄やディベロッパーの投資が拡大するシステムが造り出されたともいえる。コミュニティの単位は、核家族となり、核家族を前提とした住まいは、成長する日本経済の部品のようなものである。  成長のための部品は、成長が止まれば当然不要になる。人口減少とともに経済成長が鈍化すると都市 郊外モデルの働く場と住む場の距離が、それを許容しにくい状況にしている。また、会社の終身雇用の可能性が減り、会社コミュニティが絶対の存在でなくなるとともに , 会社からの収入を前提に役割分担が決まっていた家族コミュニティも連動して不安定化する。いまや、私たちの社会は、単身世帯が最も多い社会になってしまった。会社と核家族の時代が、個の時代へと変化しつつある。    こうした中で、都市の構造、ライフスタイル、建築を書き換える動きが生じてきている。災害が多いということも連動して、会社と核家族以外の社会縁のための場を作る必要性が生じてきている。今日の WEB インフラの発達は、こうした動きを進める大きな力となってきている。核家族の時代の終焉とともに、迎えつつある個の時代を、個がつながる時代へと乗り越えるために、施設としてのプログラム運営とそれを支えるプラットフォームとしての建築の両方を生まれ変わらせる必要性が生じてきている。  そのため、具体的には、シェアハウス、シェアオフィス、カフェ、福祉施設、キッチンスタジオ、といった個がつながる空間を設計していく必要性を感じている。様々な分野を横断して、社会の中に個がつながるシェアの場をうみだしていきたい。また、人と地域をつなげる活動も必要であると考えている。地域の魅力の発信し、人と地域がつながる回遊拠点となる施設。半世紀しか続かなかった成長の時代の建築とは、異なる新しい建築を考えていかなければならない。
 


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